松野歳時記京都北山の鷹峯 松野醤油の日々の出来事を綴ります。

2008-07-21

たまり醤油の誕生

醤油の貯蔵に使われた甕

醤油は麹を用いて製造することが特徴である。麹を用いた発酵食品は5 - 6世紀頃に中国で発明されたと考えられている。ちなみに500年頃の中国の『斉民要術』には、現代の日本の醤油に似た醤の製造法が記述されている。

現在の醤油の直接の起源は金山寺味噌とされる。

伝承によれば、13世紀頃、南宋鎮江(現中国江蘇省鎮江市)の金山寺で作られていた、刻んだ野菜を味噌につけ込む金山寺味噌の製法を、紀州(和歌山県)の由良興国寺の開祖法燈円明國師(ほうとうえんめいこくし)が日本に伝え、湯浅周辺で金山寺味噌作りが広まった。この味噌の溜(たまり)を調味料としたものが、現代につながるたまり醤油の原型とされている。ただし、この伝承を直接裏付ける史料は見つかっていない。

なお、「たまり」の文献上の初出は1603年に刊行された『日葡辞書』で、同書には「Tamari. Miso(味噌)から取る、非常においしい液体で、食物の調理に用いられるもの」と記述されている。また、同書で「醤油」の別名とされている「スタテ(簀立)」が、1548年成立の古辞書『運歩色葉集』に「簀立 スタテ 味噌汁立簀取之也」と記されていることも、醤油の成立を考える上でともども注目される。

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